税理士

資格種類難易度合格率おすすめ度
国家資格難関15%
税理士の概要

・税金に関するプロフェッショナル
・資格取得までの平均学習時間は4,000時間
・科目合格制度で社会人でも資格取得しやすい
・独立開業が最大の魅力

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税理士とは

税理士は税金に関するプロフェッショナルです。

企業や個人などの依頼を受けて、各種税金の申告・申請、税務書類の作成、税務相談、税務署への不服申立て等を行ないます。

日本では法人税や所得税など主な税金は申告納税制度を取っているので、税金を納めるために申告書を作成しなければなりません。

しかし申告書の作成には専門的な知識が必要で、誰にでも簡単にできるものでもありません。この申告書の作成を行うのが税理士の主な仕事になります。

 

税理士の仕事内容

税務申告業務

税理士には税理士法で定められた独占業務があり、下記の業務は税理士でなければ行うことが出来ません。

・法人税などの申告書や所得税の申告書の作成を納税者に代わって作成すること
・税務官等に対して、申告や申請などを納税者に代わって行うこと
・税務調査の立ち会い、税務署から調査や処分を受けたときの主張や陳述

会計業務

企業や個人事業者の会計帳簿への記帳や財務諸表の作成などの指導、及びこれらの代行業務も税理士の仕事の一つです。

個人事業や中小企業では専門の経理社員を雇う余裕が無いところも多く、これらの企業からの依頼を受けて帳簿の記入や決算書の作成などを行います。

経営コンサルティング

税務会計の専門家として企業の資金繰りの相談に応じたり、経営に関するコンサルタント業務を行うのも税理士の主な仕事となっています。

特に節税に関する税務相談や個人の相続対策などは、税を知り尽くした税理士の活躍する場となっています。

帳簿の記帳や申告などが近い将来AIに取って代わられることが予想されることもあり、今後は経営コンサルタント業務が税理士の主力業務となっていくものと思われます。

 

税理士資格の活かし方

税理士資格を生かせる主な就職先

税理士事務所や会計事務所などで税理士として働く

税理士資格取得後の就職先として最も多いのは、税理士法人や税理士事務所(会計事務所)です。

税理士として活躍するには「税理士会」に登録することが必要ですが、税理士登録には2年以上の実務経験が必要です。
このため実務経験が無い状態で税理士試験に合格した場合、税理士法人や税理士事務所に勤務して実務経験を積む必要があります。

また税理士法人や税理士事務所に就職することにより、人脈作りや税理士事務所経営のノウハウなども学べるので、将来税理士として独立を考えている場合には税理士法人や税理士事務所への就職がおすすめです。

一般企業の企業内税理士として働く

税理士資格取得後の就職先として、一般企業の経理部門や財務部門、経営コンサルタント会社へ就職する人も増えてきています

大手の企業では経理や会計業務を自社で行っていて、税務会計の知識を持った人材の確保にも力を入れています。このため税理士試験合格者であれば、会計や税金に関する専門的な知識を持っているため比較的就職しやすくなっています。

またコンサルティング会社も、財政戦略や法人税の削減施策、M&Aなどの業務を行っているため、税金や会計に関する専門的な知識を持っている税理士資格保有者の需要は多くあります。

独立開業

税理士には税理士法で定められた独占業務があります。

このため税理士として独立する人も多く、税理士として登録している人の約8割は独立して税理士事務所などを開業しています。

税理士事務所を開業している人の平均年収は2,000円万円以上と高収入が期待できますが、一方で年収500万円以下の税理士事務所も多く、収入は個々の営業努力に大きく左右されることになります。

 

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税理士の受験情報

試験日7月下旬から8月上旬の3日間
申込日5月10日から5月20日まで
受験資格大学卒業等
日商簿記検定1級合格者
その他
受験地北海道、宮城県、埼玉県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県
受験料1科目:4,000円
2科目:5,500円
3科目:7,000円
4科目:8,500円
5科目:10,000円
試験内容必須科目:簿記論、財務諸表、所得税法又は法人税法のうち一つ
選択科目:所得税法又は法人税法、相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、住民税、事業税、固定資産税
合格基準合格基準点は各科目とも満点の60パーセントですが、実質上位15%程度で足切りがあります。
詳細国税庁 税理士試験

 

税理士試験について

受験資格

税理士試験には受験資格が必要です。受検資格は数多く用意されているので、下記のいずれかに該当すれば受験することができます。

学識要件

・大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修した者
・大学3年次以上の学生で法律学又は経済学に属する科目を含め62単位以上を取得した者
・専修学校の専門課程(①修業年限が2年以上かつ②課程の修了に必要な総授業時数が1,700時間以上に限る。)を修了した者等で、法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修した者
・司法試験に合格した者
・旧司法試験法の規定による司法試験の第二次試験又は旧司法試験の第二次試験に合格した者
・公認会計士試験短答式試験合格者(平成18年度以降の合格者に限る。)
・公認会計士試験短答式試験全科目免除者

資格要件

・日本商工会議所主催簿記検定試験1級合格者
・公益社団法人全国経理教育協会主催簿記能力検定試験上級合格者(昭和58年度以降の合格者に限る。)
・会計士補
・会計士補となる資格を有する者

職歴要件

下記の事務又は業務に通算2年以上従事した者
・弁理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・不動産鑑定士の業務
・法人又は事業を営む個人の会計に関する事務
・税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助の事務
・税務官公署における事務又はその他の官公署における国税若しくは地方税に関する事務
・行政機関における会計検査等に関する事務
・銀行等における貸付け等に関する事務

認定

・国税審議会より受験資格に関して個別認定を受けた者

試験日と受験地

税理士試験は毎年7月下旬から8月上旬の火~木曜日の3日間にわたって行われます。

受験地は全国の国税局単位で実施され、
北海道、宮城県、埼玉県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県
で行われます。

試験内容と合格基準

必須科目:簿記論財務諸表論
選択必須科目:法人税法所得税法のうち1科目を選択
選択科目:法人税法・所得税法のうち残り1科目、相続税法、消費税法、固定資産税、事業税、住民税、酒税法、国税徴収法の中から2科目を選択

 注意:消費税法及び酒税法はいずれか1科目しか選択できません
    住民税及び事業税はいずれか1科目しか選択できません

合格基準点は各科目とも満点の60パーセントで、全11科目中選択科目3科目を含めて5科目に合格する必要があります。

合格基準点は各科目とも満点の60パーセントですが、上位15%程度が合格するように配点が調整されるため、実質的には上位15%の競争試験です。

 

税理士合格までの道のり

税理士試験の特徴は科目選択制科目合格制を取っていることです。

税理士試験の受験科目は11科目ありますが、全てを受験する必要はなく、簿記論と財務諸表論、法人税法と所得税法のうち1科目の合計3科目が必須科目として合格が必要です。

残りの8科目のうち2科目の合計5科目に合格すると税理士になる資格が与えられます。

税理士試験は科目合格制で実施されるので、合格に必要な5科目を同一年度に一度に合格する必要はありません。
一度合格した科目は生涯有効となります。つまり5科目合格に何年かかっても良いことになります。

実際5科目全部を1回の試験で合格することは極めて希で、通常は3~5年かけて税理士試験に合格する方法が一般的です。

そのため学習時間を計画的立てることが出来、学習時間が余り取れない会社員でも合格は可能です。但し合格までに5年以上の学習期間が必要となるのでモチベーションを保つ事が難しい試験でもあります。

 

科目毎の難易度

税理士試験は科目によって難易度・学習時間が異なります。
おおよその学習時間は次の表のようになっています。

必須科目簿記論500時間
財務諸表論500時間
選択必須科目法人税法700時間
所得税法600時間
選択科目相続税法500時間
消費税法300時間
固定資産税250時間
事業税250時間
住民税200時間
酒税法200時間
国税徴収法150時間

科目毎の難易度はおおよそ学習時間に比例しますが、上位15%の競争試験のためどの科目を選択しても合格難易度に変わりはありません。

むしろ自分が興味がある税法や将来税理士としてどの分野を得意分野にしたいかで選ぶ方が良いと思います。

例えば資産関係に興味があり将来資産税に強い税理士を目指すのであれば、所得税法・相続税法・固定資産税を選ぶのも良いでしょう。

 

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